年末になると正月飾りが出始めますね。
門松(かどまつ)・しめ飾り・鏡餅(かがみもち)。
正月飾りの主なものといえばこの3つですね。
ところでこの正月飾り、いつからいつまで飾っておくものなのでしょうか?
またそれぞれの意味合いや由来は?
そんな、毎年見かけるわりに案外知らない、正月飾りについて調べてみました。
正月は年神様が降りてくる期間
正月は年神様が天上から降りてくる期間、と古来から日本で信じられています。
年神様とは、農耕をつかさどる神様で、豊作をもたらす神様です。
その年神様を迎えるために用いるのが、門松・しめ飾り・鏡餅などの正月飾りです。
門松(かどまつ)
門松の意味合いと由来
門松は、正月に降りてきた年神様の依り代(よりしろ)とされてます。
依り代とは、神様が現れるときに宿るものや場所のことを指します。
平安時代以前は松ではなく、杉や樫(かし)などが用いられてました。
それが、神の宿る木とされていた松、また神様を「待つ」という文字を掛けて、松(まつ)が使われるようになったそうです。
また鎌倉時代からは、長寿につながるということから竹が加えられました。
門松の飾り方
門松は玄関前や門前に左右1本ずつ飾ります。
左を雄松(おまつ)、右を雌松(めまつ)と言います。
ただし、江戸時代以前は1本だったことから、1本でもよいともされています。
また最近は、環境保護ということで、役所が門松の印刷されたポスターを配布したり、サイトでダウンロードできるようになっていて、それを貼って済ませることも多くなっています。
ちなみにネットで「門松カード」と検索すると、それら印刷用データが多く入手できます。
門松を飾る期間
門松を飾っておく期間は一般的に、以下のようになっています。
- 飾り始め:12月20日~28日および30日
- 片付け:関東1月7日・関西1月15日
この期間を松の内と言い、年神様が降りてくるのを歓迎する期間とされています。
関東と関西では松の内の終わりが違うため、片付けの時期も1週間ほど差があります。
飾り始めに12月29日と31日が含まれてないのは、
29日:「二十九」の文字が二重苦や苦立てに通じるため
31日:元旦までの時間が少なく一夜飾り、一夜松となるため
といった理由からです。
また片付け終わった門松は、1月15日の左義長(さぎちょう)あるいはどんど焼きと言う神社の火祭りで燃やしてもらいます。
しめ飾り(注連飾り)
しめ飾りの意味合いと由来
しめ飾りは、年神様を迎えるのにふさわしい、神聖な場所をつくるためのものです。
もともと神社の注連縄(しめなわ)から来ていて、神の世界と現世を分けるため、つまり結界を張るために用いられます。
昔は家庭でも、松の内のあいだ、注連縄を張っていたそうですが、簡略化され今のしめ飾りに変わりました。
ちなみに、注連縄の由来は古事記や日本書紀にあります。
あるとき天照大神(あまてらすおおみかみ)が、弟のスサノオの横暴ぶりを見かねて、天の岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。
他の神々がなんとか天照大神を外に誘い出し、そのすきに入口に縄を張って、再び岩戸に隠れられないようにしました。
その時の縄が注連縄のはじまりと言われています。
しめ飾りの飾り方と、飾る期間
しめ飾りは玄関や家の神棚に飾ります。
飾る期間は、門松と同じで
- 飾り始め:12月20日~28日と30日
- 片付け:関東1月7日・関西1月15日
です。
また門松と同じように、12月29日と31日に飾るのは避けるべきとされています。
片付けた、しめ飾りは門松と同じように、1月15日の左義長の日に、神社に持って行き燃やしてもらいます。
鏡餅(かがみもち)
鏡餅の意味合いと由来
鏡餅は、正月に降りて来た年神様への捧げ物です。
鏡開きの日に、その供えた餅を食べることで、一年の無病息災を祈願します。
鏡餅の由来は、固い餅を食べる中国の元旦の習慣から来ていて、それが日本に伝わり、室町時代に今のような鏡餅になりました。
また鏡餅という名前は、昔の鏡から来ています。
古来日本では、鏡に神様が宿ると信じられていて、それが鏡(かがみ)餅の名前となりました。
形も当時の鏡が円形だったことから、鏡餅も丸い形になったと言われています。
そして、あのふくらんだ形状は人の心臓を表し、大小2つ重ねるのは、日(陽)と月(陰)の、福と徳が重なり縁起が良いとされたからです。
鏡餅の飾り方
鏡餅は、大きなものを床の間に飾り、小さなものを各部屋に飾ります。
しかし最近では、住宅事情や家族環境もあり、置き場所にはこだわらなくなっています。
また需要の関係で年々サイズが小さくなっていく一方、縁起物や干支などのフィギアが付いたものは、こども向けに毎年人気があります。
鏡餅を飾る期間
鏡餅の飾り始めは12月28日が一番よいとされています。
8という数字が、末広がりの「八」に当たるのがその理由です。
また、門松やしめ飾りと同じように、29日は苦餅、31日は一夜餅となるので避けるべきとされてます。
そして、1月11日の鏡開きまで飾ります。
まとめ
正月飾りの門松、しめ飾り、鏡餅。
それぞれがバラバラにあるのではなく、
- しめ飾りで結界を張り家を清め、
- 門松を目印に年神様に来てもらい、
- 鏡餅を年神様の供え物とし福をいただく。
といった一連のストーリーがあるんですね。
時代の流れで以前と変わってはきてますが、こういった日本的な風習は残していきたいものですね。